ヨガインストラクターが、自身のヨガレッスンで
「生徒さんの要望に応えたい」
「レッスンに満足してもらいたい」
と考えるのは当然のことです。
しかし、全ての生徒さんの要望に応えてしまうと、本来のプログラム内容から逸脱してしまう可能性があります。また、1人の要望に応えることで、他の1人は、満足出来なくなるというスパイラルにハマり、自分自身のヨガプログラムを見失い疲弊してしまうことも…。
今回は、生徒さんの期待に応えたいばかりにヨガインストラクター自身が疲弊しないための3つ心掛けをお伝えします。
ホームページやブログでレッスン内容を分かりやすく説明する
まずは、レッスンに参加する前に、トラブルや要望を受けるリスクを最小限に抑える努力をします。それはとても簡単なことです。
ホームページやブログで、レッスン内容を詳しく記載しましょう。
え?そんなこと?と思うかもしれませんが、意外とヨガインストラクターの皆さんは、これが出来ていません。
レッスン内容:ハタヨガ
これでは、私でもどんなレッスンなのかさっぱりわかりません。
次の例のように改善することで、レッスンのイメージを描くことが出来ます。
レッスン:ハタヨガ
レベル:初心者から中級者
内容:ハタヨガは色々な流派の基本となる伝統的なヨガスタイルです。難しいポーズにチャレンジすることなく、基本的なポーズを中心に、体と呼吸の一体感を感じてもらえるよう、ゆったり動いていきます。初心者の方でも安心して参加できる内容です。
たったこれだけですが、この説明があるとないとでは、レッスン申し込み数も大きく変わります。
以前、ホームページからの集客に悩まれていたヨガインストラクターの方のコンサルティングをさせて頂いことがあります。その時に、ホームページのレッスン内容が非常に乏しかったので、文章の書き方をお伝えし、丁寧に説明を加えたホームページに変更しました。その結果、今まで満席になったことがなかったクラスが、2ヶ月後にはキャンセル待ちにまでなりました。
また、内容が明確なのでレッスン中の要望が起きるようなことはほぼありません。
当日レッスンの前に、プログラムの流れを必ず説明すること
ホームーページやブログでの説明対策が出来たら、次はレッスンスタート前にも今一度ヨガレッスン内容について伝えます。
ホームページに記載しても、初心者の方には文章説明だけではイメージがつきづらいこともあります。曜日、時間の都合で、レッスン内容を考えずに参加することも多くあります。
この時、生徒さんにどれくらいヨガ経験があるかを伺えると良いですね。もし伺うタイミングがなかったら、表情を見ると、少し不安があるか、わくわくしているか、ヨガに慣れているかが読み取れることが多いです。
ヨガはとてもシンプルな空間。表情もシンプルになるので、気持ちが顔に現れやすいです。言葉なしでコミュニケーションを取ることは難しくありません。
事前に伝えることで、参加されている生徒さんもレッスンの心構えが出来ます。レッスン中にフォローが必要な方がいたら、フォローしながらレッスンを進行することで、その方の不安を取り除き、安心感を与えます。例えレッスン内容がマッチしていなくても、必ず安心感を与えてあげることで満足度が生まれます。
レッスンに一番慣れている人を基準にプログラムを作らないこと
あなたのヨガレッスンに慣れている方、またヨガ自体にとても精通している方は、レッスンに対して要望を出されることがたまにあります。
「もっと難易度の高いポーズにチャレンジしたい」
「運動量を上げてほしい」
要望を出される方の気持ちはとても良くわかります。
ただ、この要望を受け入れてしまうと、他の生徒さんがレッスンについていけなくなることがありますので以下にようなプログラムを準備しておきましょう。
段階を踏んで完成するアーサナを入れる
個人的な要望が他の生徒さんに影響を与える場合は、段階を踏んで難易度が高くなるアーサナをあらかじめ用意しましょう。初心者の方でも上級者の方でもレベルに合わせて、ポーズの完成形を選べるようにします。
チャレンジポーズの時間を最後に作る
ここでは、休みたい人、チャレンジしたい人、皆それぞれがその時間の過ごし方を選べるように、今までのプログラムの流れを一旦切り替えるようにしてあげてください。最初からの流れでチャレンジポーズに入ると、そのポーズにチャレンジしたくない方に大きなプレッシャーを与えて
「もうこのレッスンに参加するのは止めよう」
という気持ちを引き起こしてしまいます。
まとめ
要望が出る、出ないは、全てあなたのコミュニケーションに掛かっています。
そのコミュニケーションはホームページを通じたものであれば、ブログであったり、実際の対面であったり色々です。
例えばレストランで食事をする際にどんな料理か分からないメニューも、説明がしっかり書かれていれば注文出来ますよね。
ヨガも同じです。
ヨガはサービス業でもあります。
サービス業とは、お客様の不安を取り除き安心させて問題解決させ、満足させることがゴールです。しかし、全ての期待に応えようとし、最終的に疲弊してしまうのは自分自身です。
自分のためにも、参加してくださる生徒さんのためにも、要望となりうることを解決できる方法はとても簡単です。事前に不安を取り除いてあげるだけです。レッスンの際に、またレッスン告知や、集客の際に今日お伝えした3つの心掛けを思い出してみてください。